居場所がない孤独や辛さは、私もよく分かってる。当たり前の事だけど、身体に受けた傷よりも心に受けた傷の方が大きい。

 きっと秀人は誰にも言わず一人で堪えてたんだろうな。今みたいに、何でもないような顔して笑ってさ。

 秀人の気持ちを考えると、余計に胸が締め付けられた。

 だから私は思った。

 秀人が本当の意味で辛い過去を忘れられるよう、出来るだけ傷を癒してあげたいって。これからは私が秀人を守る。秀人を傷つける奴は、誰一人許さねえ。



   *  *  *



 土日、変わった事と言えば、秀人のバイトが決まった事くらい。

 秀人は、私の紹介って形で同じ飲食店で働く事になった。

「いやぁ、やっと美咲ちゃんにも彼氏が出来たかぁ。まっ、今まで居なかった方が不思議だけど。なるべく同じシフトに入れるから、これからも頑張ってよ」

「本当、そんなんじゃないって。ただの幼なじみですよ」

 別に付き合ってる訳じゃないっつってんのに、店長が気を利かせて同じシフトに入れてくれる事になった。内心大喜びしてる私は、やっぱ少しは異性として意識してんのかな?

……ん?

 いやいや、違うだろ。何を考えてんだ私は。