鏡司には色々助けてもらったからな。出来れば私も手伝いたい。

「そうと決まれば早く行くぞ」

 私は、どうせ断られるだろうと思いつつも、当然自分も行くつもりだいう素振りを見せてみんなを促す。

「お前まで来る気かよ。いや、来るのは良いんだけどさ。お前は参加すんなよ」

 予想通り鏡司に釘を刺された。

「はいはい、分かってんよ。それより早く行くぞ。仲間がピンチなんだろ?」

 私は右手をヒラヒラさせて鏡司を急かす。

 すると鏡司は「へいへい。マジで来るだけだかんな。お前に何かあったら、俺、秀人に殺されるし」と言って単車を発進させた。

 返事も聞かずに急いで発進したのは、やっぱり仲間が心配で少しでも早く行きたいという気持ちの表れだろう。

 「また訳の分かんねえ事を」と言いながら秀人が続く。大樹もそれに続いた。

 私はそんな三人の背中を後ろから見て思う。

 なんかこいつらと居ると退屈しねえな。

 時間や規則に縛られる事のない自由な生き方。今だから出来る、今しか出来ない楽しみ方。

 そんな中で、お互い助け合い、支え合って様々な困難を乗り越えていく。

 本当、友達って良いな。

 十年後も二十年後も、こいつらと……、そして茜たちと、ずっとバカやってたい。

 変わらぬ未来を信じて。

 私は心地好い風と音を感じながら、秀人の背中に顔を埋めた。