すると茜は「行きたい!」と即答し、逆にバカ西は横目で茜を見ながら断ろうとしている。

 バカ西の本心なんて知る由もないけど、やっぱり茜に対してが一番気まずいんだろうな。

 そんなバカ西を半ば強引に誘ったのは、意外にも茜だった。

 「折角仲直り出来たんだから予定がないなら行こうよ」という茜の意見に皆が同意する形になり、行く事になったのである。

 その後、唯も行けるという事で全員の都合を合わせ、再来週行く事に決定した。



     * * *



 そして翌週。

 学校からの帰り道、西の空に浮かぶ太陽を眺めながら秀人たちとともに家路を辿る。

 急遽今日も秀人の部屋で飲む事になったから、一旦家で着替えて酒を買いに行く予定だ。

 というのも、昨日鏡司から大樹に電話があって、今週都合が悪いのは誰かを聞かれたらしい。その時、私たちではないと知った鏡司が「んじゃ秀人んちで飲まね?」と提案して、今日も飲む事になったのである。

 いつもの交差点で茜たちと別れて、もうすぐマンションに到着しようかという時に秀人の携帯が鳴った。

 私の好きなアメリカのロックバンドの着うたで、なんとなく聴き入ってしまう私。

 程なくして秀人が話し始めた。