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 翌日――。

 心の引っ掛かりがなくなって、久しぶりに心身ともに気持ち良く目覚めた私は、軽快な気分でマンションの扉を開ける。

 外に出ると、ガラスのように澄んだ青い空と優しく輝く太陽に出迎えられた。

 秀人の部屋の方を見ると、既に大樹が来ていて、秀人と話しながらこっちに向かって歩いてくる。

 私が出てきた事に気付いた大樹は、軽く片手を挙げて話し掛けてきた。

「おっす美咲。ちょうど今、秀人にも聞いてたんだけどよ。今度のバイト休みん時に鏡司と飲みに行く事んなっててさ。んで、お前らも誘おうって話になってたんだけど、行けそう? 秀人はOKみてえだけど」

 大樹は一瞬、秀人に視線を移してから聞いてくる。

 なんか最近、飲んでばっかのような気がするけど、高校入ってからずっとバイトばっかだったし、行ける時は行っときてえな。

 不安の種もなくなったんだから久しぶりに茜たちも誘ってみよ。

「おっす。空いてるよ。茜たちも誘って良い?」

 私は二人に挨拶をしてから確認を取る。

「ああ。んじゃ場所どうすっか」

 大樹は快く了承してくれて、どこで飲むかと振ってきた。

 茜たちがOKなら、家の場所がバラバラだからな。

 私たちは、その辺りも考慮に入れてどこで飲むか話をしながら学校に向かった。