そして無事に荷物を受け取った私は、予定通り秀人に乗せてってもらい、原チャが乗れるように手続きを済ませる。

 まさか自分の手元に原チャが届いて、今日からいきなり乗れるようになるとは、昨日の時点では思いもしなかった。それどころか今でもまだ実感が湧いてない。

 色んな偶然が重なってこうなった訳だけど。

 とにかく明日改めてお礼を言おう。

 そんな事を考えながら秀人を見ると、いつもの笑顔でこっちを見ていた。

「秀人、色々とありがとな。つかバイト前にその辺でメシ食ってかねえ? お礼も兼ねて奢るよ」

 私はこのまま帰るのが嫌でメシに誘ってみる。

「食いに行くのは良いけど、別に俺、お礼されるような事してねえし。ただ乗せてっただけだろ」

 秀人は不思議そうに首を傾げて突っ込んでくる。

 私がお礼を言いたかったのはそれだけじゃねえんだけどな。秀人には過去に何度も助けられたけど、今回の件でもマジで色々と助けてもらった。そういう事も含めて言ったつもりだったんだけど。

 まあ、それは今は置いとくか。詳しい事はあの話をする時に一緒に伝えたいし。

「何でも良いじゃん。とにかく行くぞ」

 私は、ついさっきナンバーも付け終わって乗れる状態になった原チャに早速跨がる。

 それを見た秀人も慌てた様子で追い掛けてきて、私たちはそのままメシを食いに行った。