スキンヘッドの相手をしていたのは秀人だったはず。

「美咲、大丈夫か? 後少ししたらそっち行けるから、もうちょい頑張ってな」

 秀人が心配そうにこっちを見ている。

「ああ。大丈夫だよ。こっちの事は気にすんな」

 私は安心させたくて笑って返した。

 つか、秀人たちは二人を相手にしてんだから、私の心配なんかさせてる場合じゃねえ。もっと頑張らねえとな。

 私が心の中で気合いを入れ直していると、スキンヘッドが起き上がった。

「ああ。こいつマジ強えわ。ノーマークでここまで強え奴、初めてだな」

 スキンヘッドは独り言を呟きながら立ち上がり、秀人の元へ歩いて行く。

 私は相手をしていた男に視線を戻すと、まだフラついている。

 その時、不意に単車の音が聞こえてきた。音が徐々に近付いてきたかと思えば、私たちが居る駐車場に入ってきて停車した。

「やっと見つけたよ。おめえら、こそこそと何やってんだよ」

 突然、乱入してきた男は、周囲を見渡しながら怒鳴り散らす。

 その男は立川を見て視線を止めると表情を変えた。