「んじゃ、ちょっとベランダ行かね? この季節、夜風が気持ち良いんだよな。景色も綺麗だし」
私は異様に秀人と一緒に景色が見たくなって誘ってみた。
「夜風に景色? 美咲、熱でもあんの? キャラじゃないっしょ」
秀人はおどけた様子で私をからかう。
「殴られたい?」
再び怒気を含んだ笑顔を向けて拳を握る私。
「いえ、すみません。行きたいです」
秀人は慌てた様子で煙草を手に取って立ち上がった。顔が私をからかった時の表情から変化がなかったけど。
ったく。調子の良い奴め。などと思いながら、私も煙草と灰皿を持って後に続く。
ベランダに出ると、本当に夜風が気持ち良い。そして五階から見える景色はとても綺麗で、偽りに満ちたこの世界を、真の輝きで照らしていた。
「本当に綺麗だな」
秀人が街を見下ろして言う。
「だろ? 私、この景色好きなんだよな」
「俺も。好きんなったよ」
私の方を向いて言った秀人の顔が近くて、不覚にもドキッとしてしまった。
好きになったのは景色の事って分かってんだけど、この至近距離で真顔で言われたら、誰でもドキッとするだろう。
しかも相手は秀人。異性としては意識してないけど、私は友達として心から信頼してるし大好きな人。
言ってみれば同性の親友が茜なら、異性の親友が秀人って感じかな。
私は異様に秀人と一緒に景色が見たくなって誘ってみた。
「夜風に景色? 美咲、熱でもあんの? キャラじゃないっしょ」
秀人はおどけた様子で私をからかう。
「殴られたい?」
再び怒気を含んだ笑顔を向けて拳を握る私。
「いえ、すみません。行きたいです」
秀人は慌てた様子で煙草を手に取って立ち上がった。顔が私をからかった時の表情から変化がなかったけど。
ったく。調子の良い奴め。などと思いながら、私も煙草と灰皿を持って後に続く。
ベランダに出ると、本当に夜風が気持ち良い。そして五階から見える景色はとても綺麗で、偽りに満ちたこの世界を、真の輝きで照らしていた。
「本当に綺麗だな」
秀人が街を見下ろして言う。
「だろ? 私、この景色好きなんだよな」
「俺も。好きんなったよ」
私の方を向いて言った秀人の顔が近くて、不覚にもドキッとしてしまった。
好きになったのは景色の事って分かってんだけど、この至近距離で真顔で言われたら、誰でもドキッとするだろう。
しかも相手は秀人。異性としては意識してないけど、私は友達として心から信頼してるし大好きな人。
言ってみれば同性の親友が茜なら、異性の親友が秀人って感じかな。