「そっか。それよりさ、ゴールデンウイークはバイトだけど、今度どっか遊びに行かね? まっ、休みは基本的にバイトだからバイト休みん時にでも」

 サラサラの髪を風に靡かせて微笑む秀人。

 それにしても唐突だな。

「ああ。良いけど、何処に?」

 こんな時に改まって誘われると緊張するし。

「そりゃあ……、カラオケとか映画とかかな。単車でどっか遠出しても良いし。むしろ、どっか行きてえとこある?」

 うーん。秀人とどっか遠出したいのもあるけど、カラオケ好きの私としてはカラオケも魅力的だ。

「そういや最近カラオケ行ってねえから行きてえな。ちなみにカラオケ二人で行くのか?」

 個人的には歌うの好きだから、あんま人数多いより二、三人で行く方が良いんだけどな。

 逆に人数集めて騒ぐのが好きな人も居るみてえだけど、秀人はどうなんだろ。

「二人でも良いし、誰か誘っても良いけど、どうする?」

 どうしよ。本当は二人で行きたいけど、なんか今は妙に秀人を意識してるから、二人で行くと変に緊張しそうだしな。とりあえず茜たちを誘ってみるか。

「んじゃ、茜たち誘ってみようかな」

 私は風で顔にかかった髪を後ろに流しながら答える。

「そっか。じゃあ、俺は大樹でも誘ってみっかな」

 秀人は煙草の火を揉み消しながら答えた。