「はい、ありがとうございます。また日を改めて顔を出しに行きますね」

 仁美の台詞に連動するように琴音や沙織が軽くお辞儀をしてきて、三人はこの場を去って行った。

 これまでとは打って変わって一気に静かになった神社で、無意識に今日の出来事が頭の中で再生される。

 結局、香奈の目的は本当にただのストレス解消だったのか? あいつらの話聞いて、そんで納得すんのかな?

 色んな疑問が浮かんでくるけど、どれもがここで考えてても分かる問題ではなかった。

 まっ、香奈にはああ言っといたんだし、納得出来ねえなら明日のバイトが終わった後にでも、何か言ってくんだろ。

 思考の渦から抜け出した私は、自分の鞄を拾い上げて神社を後にした。

 ふと空を見上げると、既に薄暗くなっており、この季節独特の、夜の肌寒さが迫ってきていた。