私がそう言うと
「取っ...てぇ...。」
男の子がまた泣き出してしまった。

これじゃ私が泣かせてるみたいじゃん!
幸か不幸か周りには人1人いない。

取ってあげたいけど他人の家の塀にのぼる
わけにもいかないし...。
悲しいことに私は身長が低い。
塀によじ登っても取れなさそう。

「取ってよぉ...おねっえちゃん、うぅっ」

私が頭を抱えている間に男の子は
さらに泣き出してしまった。