「こっち!!」

男の子に手をひかれるがままに、ついていくと
かなり高い松の木にひっかかる
赤い風船が見えた。

私が呆然と見上げていると
「はやく!取って!」
さっきまでの泣き虫はどこいった...

男の子は「はやくしろよ」という
目で私をにらむ。

「いや、無理だよ。」