映画館につくと休日とだけあって
さすがに混んでいた。
席もほぼ満席だ。

「叶多くん寝ないでよ?」

いつかのことを思い出して言うと

「蒼が隣にいんのに寝るわけない。」
とぶっきらぼうに言ってくれた。

「んふふ。」
嬉しくて笑うと
「出た、キモイやつ。」
と叶多くんが苦笑しつつ言った。

「きもくないもん!」

私が言ったところで映画館の
照明が落ち始めた。