「・・・・・・。」
私が見とれて黙っていると
「風...船がっひっ、かかっちゃ、って。」
泣きじゃくりながら男の子が木を指差した。

「んー?あー、これか?
ここ俺ん家だから、取ってやるよ。」

男の人はそう言い、ふわりと塀にのって
いとも簡単に風船をとった。

私じゃ、どうにもできなかったのに
平然とこんなことをやるなんて...。

凄い...。かっこいい...。