「泣かないでよぉっ...。うっうっ。」
泣かないで、と言っている 私が泣き出してしまった。

端から見れば喧嘩をした姉弟であろう。


「人ん家の前で、何泣いてんだ?」

私が泣いていると、後ろから
男の人の声がした。

ふり返ると、すごいキレイな男の人がいた。

茶色い透き通った瞳。
きめこまかい肌。
ミルクティー色の髪。
ほのかに香るシトラスの香り。

「かっこいい」という表現より「綺麗」の
ほうが合う、そんな顔だった。