暖かい春が来た。

今日は明華高校の入学式。

その入学式に私もいた。

誰も知ってる人はいない。

体育館に入り自分の出席番号の書いてある椅子に座った。

周りはざわつき

静かになる気配などない。

そんな中、校長先生がマイクを手に取り何か話始めた。

ざわついてて何も聞こえない。

隣を見たらミルクティーの色のような髪の毛をしてる女の子。

静かに座っていた。

顔は小さくて、目はクリッとしていて、色も白くモデルのようだ。

あまりにも見とれてしまい

「何。」

と言われた。

「いえ…別に…。」

「静かになんないねー。」

「ですね…」

「てか何故に敬語?めっちゃかた苦しんですけど。」

「すみません…」

「おもしろいね、あんた。笑える。」

「あはは…」

笑えると言いながらも目は全く笑っていなかった。

「名前は?」

「片山依緒璃(カタヤマイオリ)」
「名前は可愛いのにねー。めっちゃ地味。」

よく言われる。

そう、私は地味子なのだ。

「私は、野田仁依茄(ノダニイナ)」

イメージにぴったりだ。

かわいい名前。

「よろしくねー。」

「はっ…はい!」

「敬語やめな。」

そう言われても敬語をやめることはなぜか無理だった。