ここに瞳子がいるなら優子は出掛けてはいない。
その傍らに優子の姿はなく、ここで瞳子と一緒に昼寝をしてるという訳でもないらしい。
だったらどこで何をしているんだ?
寝室を出て思い当たる所を捜し、万が一見つからなかった場合は連絡だと、携帯を取り出してリビングに続く扉を開けた、――その時。
「……ひ、っく」
優子の声が聞こえてきた。
それも泣いているのか鼻声に近い声で、急いでリビングに入ってみればそこは電気がついてなく、部屋の明るさを保っているのはカーテンの隙間から溢れる日差しだけ。
そして、そんなリビングのソファーの上で横になっている優子。
優子の姿を見つけホッとするが、泣いている優子に心配を覚える。
どうして泣いている…?
膝をつき横になる優子の顔を覗くと、寝ながら涙を溢れさせながらソファーをぎゅっと握って肩を震わせている。