「串田、この後のスケジュールはどうなってる?」
串田は俺の言葉に軽く首を傾げると、この後のスケジュールを俺に伝えた。
それを聞いて、ならばと書類を手放す。
「それなら出ても問題ないな」
「え、」
「直ぐに戻る」
言葉を失ったように目を見開いた串田だが、すぐにいつもの串田の表情に戻ったかと思えば、
「では理由を教えてください。外に出る理由を聞かない限り容易く簡単にどうぞとは言えません。社長のスケジュールはいとも簡単に変えられる訳ではないので。午後から大事な会議などはないとは言え、急遽という場合もあります。それに社長がまだ目を通していない書類はそれだけではありません。時季に誰かがもってくるでしょう。その中には期限ギリギリのものも。それを踏まえて社長は外に出たいとおっしゃるなら、その理由を」
理由?
そんなの一つしかない。