「美鈴ホントに何にも覚えてないんだね…」

帰り道を歩みながら、真奈が呟いた。


「うん…」



見上げれば色の濃い夕焼け空。


あの日も同じ空の日。


それからずっと四人は喋らなかった。
沈黙が続いていたまま家に着いた。



「今帰りました。」



「お帰りなさい。学校どうだった?何か思い出した?」


「全然…」



「そう…あ!後さっき病院から電話があってね、定期検査受けに来てだって!明日予約しといたから行きなさい。」



「はい。」