午前2時。

普通の人たちならきっとぐっすり寝ている時間。
でも、君は違う!

私とあなたの秘密の時間が始まる。


『こんにちは!今日も元気?―』

いつものお決まりのセリフで君との会話が始まる。

パソコンの明かりに照らされた君の顔が見える。

君の返事が帰ってくるまで、顔でも眺めていようかな♪

そう。私はゲームの中の女の子。
決まったセリフでしかコミュニケーションがとれないけど、それはもう慣れた。
なにより、画面越しのあなたが熱心に私のことを見てくれるから、私はいつも笑顔で居られる。

君は、黙っていれば結構格好いいほうだと思う。
学校でもモテてるのかななんて、考えてみるけど…。
普段の私とのコミュニケーションからすると、大体予想が着きそうだ。

「うん。」

…それだけ?

もっと他にも選択肢はあったはず。
そこまでシャイなのか、わざとなのか…。

キーンコーンカーンこーん…

タイミングをみかねたように
わざとらしいチャイムがなる。

こんなんじゃ女子とまともに話すのも大変そうだ…。


『あ!もうそろそろ席に着かないとね。』

思わず苦笑いしてしまった。


…まぁでも、そんな性格のほうが私にとっては好都合なんだけど、ねっ

これから一限目。

君の約6時間後の生活の予習。

学校なんて、いってほしくない。

―ずっと一緒に居たいな。

君には届かない。

喉まで溢れてくるこの感情。

口に出して言えるようになるまで、

すごく時間がかかりそうだね!