彼は笑顔を見せなくなった。

愛の言葉も囁かなくなった。


わかってる。私が原因なのだと。

けれど、仕方ないじゃない。愛しているの。
愛している人を束縛したいという気持ちは当たり前でしょ?



「なら、早めに結婚したいな」

「…まだ、ずっと先」



プロポーズに憧れていた。
付き合った最初の頃は、由紀くんとの幸せな結婚生活を考えてみたりもした。

由紀くんはどうプロポーズしてくれるのだろうと
楽しみにしていた。


今はそんな甘い期待はしないから。

愛してほしいとも言わない。


ずっと、傍にいるだけでいい。

由紀くんが私を拒否して逃げるなら由紀くんを殺して私のものにする。

由紀くんが他の人を愛すなら、その相手を由紀くんの目の前で地獄の苦しみを味わわせる。



愛してほしいなんて甘いことは言わない。
ただ傍に。

ずっと、傍に。いてほしくて。

ずっと、傍に。一番にいたくて。


由紀くん。
もう二度と、私から離れないで。