そんな俺には好きな奴がいる。



ちょうど今俺の後ろにいる。


コイツなにしてんの?笑




「あ…日向…」

「ん?どした?」



彼女は林華恋[はやしかれん]



「どいてくれないなら…それ取って…」



林は俺の足元を指差す。


俺は足元を見た。


そこには真っ黒なヘアピンが落ちてある。


あぁ
コレのことか?



「あ~ゴメン!はい」

俺はそう言って、彼女のヘアピンを拾って渡す。


「でも、どいてほしかったら言えば良かったじゃん」


俺に拾って欲しかったのかな?


なんて、そんな俺様な考えはしねぇ。笑


「何回も言ったじゃん!でも無視するから…」


この俺が無視だと…?

好きな女を無視するわけねぇじゃん…


「無視とか、ありえねぇし!気づかなくて?」

「まぁいいや。拾ってくれたのには変わりないし!サンキュ…」


これはこれは、どういたしまして
喜んでいただけて光栄です…

…って俺はバカか!




「どういたしましてぇ、リンリン♪」

俺はいつものように、ふざけて彼女のことをそう呼ぶ。


「も、もぅ//!そのアイドルみたいな呼び方やめてよ…っ///」


そう言って、彼女はさっきまでいた友達の所に戻って行く。





俺は見逃さなかった。


林の顔が赤くなった。


林は俺と話す時、よく顔をリンゴのように
真っ赤にする…



これは照れてる証拠でしょ 笑

俺は脈アリだと見た!



そうだったらいいんだけどなぁ…