野次馬の中から 懐かしい声が聴こえた。 「しおりっっ!!!!」 あたしは力を振り絞り 体を起こそうとしたが 起こせない。 そんな力はもう ないみたいだ。 「乗っちゃダメ!!」 「俺らこいつと 知り合いなんだよっ!! いいから乗せろよ!!」 救急隊と誰かが 言い争いしている。 聞き慣れた声だけど 誰か分かんない。 「しおり!! 大丈夫っ?!」 救急隊に許可を 貰ったのか2人 あたしの横に来た。