北館4階の廊下は静まり返っていた。 階段横の教室のドアに手をかける。中からは、どう考えても楽しくお喋りしているとは思えない、ガタガタという音と女性の声。 開けたくない気持ち8割、開けてみたい気持ち1割、開けなければいけない気持ち1割。 でも、今の状況で開けないで帰るという選択肢はない。 宮澤は軽く深呼吸してから力任せにドアを開けた。