「それは・・・私のせいではないだろ!!」

「いいから、探せ。」

携帯をなくしたときの不便さはよくわかるので宮澤は、はぁとため息をついてから探し始めた。

花園から、どの辺でやっていたのかということを聞きそこに重点を置いて探し始めて数分。自分の携帯から、花園の携帯に電話をすればいいじゃないかと思って宮澤は携帯を取り出した。

花園の携帯に電話を掛けると、ロッカーの横に置いてある傘縦の下から、今はやりのソロシンガーの曲が聞こえてきた。傘縦に駆け寄り、手でごそごそと下を調べる、小指に携帯らしきものが触れた。




「あった!!あったよ!!」

花園に駆け寄ると、花園はうれしそうにそれを受け取った。

「サンキューな。てか・・・お前、顔汚れてる。」

宮澤の顔に手を伸ばして、頬の部分をカッターシャツの袖の部分でゴシゴシとふきながら、花園はやさしく笑った。


「あ・・・ありがとう。」

なんとなく、恥ずかしくなった宮澤は、小さな声でそれだけ言った。