ガタガタと宮澤が立とうとするより先に、花園がスッと立ち上がった。

「B組は、耳できく怪談をしたいと思います。場所は第1会議室か第2会議室を使いたいと思います。」

さっきまで、だるそうだったやつの豹変ぶりに室内の視線が集中する。

以上ですと言ってから、整った顔に爽やかな笑顔を浮かべてから、静かに席についた。

宮澤はあっけにとられていた。室内が静まる。驚きすぎて、声がだせないのだ。しばらくしてから、委員長が咳払いをした。

「わかりました。1年B組さんも、やる内容を提出用紙に詳しく書いて、規定の日時までに提出して下さい。」