花園が目を覚ますと室内は自分ひとりだけになっていた。

「・・・っ。起こせよ・・・。」

不機嫌な声でそう言いながら、こきこきと首を鳴らした。そして、席を立とうとした瞬間後ろのドアが開いた。

「あっ、やっと起きてくれた!!」

「はぁ?起きてくれた?てか、何?」

もう、何から言えばいいのかわからない花園に、宮澤はごめんごめんと言いながら近づいて行った。

そして、彼の眼の前に彼女が右手に持っていたものを差し出した。


「本当に、今日は助かった!!ありがとう。これ、お礼!!」

目の前に差し出されたのは、リンゴ味の炭酸飲料だった。

花園はそれを黙って受け取った。そして、宮澤のほうをちらっと見た。



「携帯かせ。」


花園の言葉の真意が、よくわからない宮澤は、なぜ?っという表情をして彼を見た。