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-私は、他人には全く興味がなかった…-

-6年前の12月31日のあの夜、
雪がいっぱい降っていて、
とても寒かったのを今でもはっきりと覚えている-


ふわふわで暖かいコートなどに身を包んでいたけれど、
吹く風は冷たくて、空から降る雪も冷たくて…
寒くて寒くて、たまらなかった。


-何の気まぐれだったのかしら-


連れと一緒に寒い中、
街中を歩いていると、目の前に、汚く薄い服を着ている男の子が、道端で倒れていた。

-私は、他人には全く興味がなかったのに、何故かその時、彼を助けたの-


彼に触れた時、
まるで氷のように頬は冷え切っていて、
彼自身が凍ったかのように、
彼はぴくりとも動かなかった。


-私は彼を屋敷へ連れて行き、
暖かい部屋、温かい服、暖かい食事を用意した-


名前を聞いたら彼は「ない」と答えた。

顔はずっと無表情で、
なんて愛想のない子なんだろうと、執事やメイド達がこっそり呟いた。