―――その時間が過ぎると、
二人は麗華の寝室へ戻った。

豪華なベッドの布団の中に麗華が入ると、一夜は優しく麗華の頭を撫でた。
麗華の綺麗でサラサラした髪が少しこそばゆく感じた。

…あとは、麗華が寝付くのを待つだけだ。

麗華が寝付くまで、
一夜は麗華の隣にいる。
それも命令の一つでもあった。


「…一夜、」

「はい、何でしょうか。」

「私が寝ても、しばらくはそこにいて。私が夢を見るまで、隣にいなさい。」


彼女はいつもツンツンしていて、あまり感情を表に出さない。
これは、彼女なりの甘え方なのかもしれない。

一夜はそう思うと、
思わずくすっと微笑んだ。


「…はい、麗華様。
一夜はずっと、貴女の傍にいます。何があっても…永遠に…。」
「…そう、ならいいわ。」


麗華はそう言うと、何も話してこなくなった。
気がつけば、麗華はぐっすりと寝ており、夢の世界へ出かけていた。

一夜はもう一度、麗華の頭を撫でながら呟いた。


「…はい、私も、私の心はずっと貴女の傍にいます。…良い夢を。」


一夜は麗華の額に一度キスすると、麗華の寝室から出ていった。