夜、誰もいないローズガーデン…
夜空に浮かぶ白い月…

嗚呼、やはり、やはり麗華様には、白い月がお似合いだ…


「嗚呼、麗華様、
今宵はどんな御命令を下さるのですか?」


静かに振り向く彼女は、
妙に美しく…


「…一夜、6年前の事、覚えてるよね?」

「えぇ、もちろん。
あの日の夜、貴女は私を救ってくれた。そのご恩は一生忘れません。これからの私の一生を使って、恩返しをしたいと思っております。」

「…そう、それが聞けて嬉しいわ。
…では、私の命令を聞いてくれるかしら?」

「はい、何でも」


麗華はそっと一夜の頬に手を当てた。


「さぁ、今宵も私に教えて。
…人の愛し方を…。」

「…はい。」


夜になると、二人はこっそり、
課外授業を始める。

教師は一夜。

さあ、今宵も教えておくれ、
人の愛し方を…