チュン、チュン…

朝になると、一夜がカーテンを開け、窓から日差しが射していた。


「おはようございます、麗華様。今日はとても良い朝ですよ。」


朝から爽やかな笑顔で一夜は麗華を起こした。

一夜がカップに紅茶を入れると、麗華はそれを口に入れた。


…そういえば


「ねぇ、一夜…」

「はい、何でしょう?」

「貴方が来てから、もう6年が経つのね。」

「…そうですね。
あっという間です。あの日のことは、まるで昨日のように覚えております。」

「私もよ」


本当に、あっという間だ。
今では彼は、屋敷で一番優れている執事でもある。
この屋敷には、なくてはならない存在となっていた。


「…一夜、今日も勿論、
私に授業をしてくれるのよね?」

麗華の言葉に、一夜はどこか快感を覚えていた。
一夜の顔から、薄く笑みがこぼれていた。


「…はい、麗華様。」


そして二人は今日も、
朝は二人だけでローズガーデンに向かった。