その時、直下型地震が私を襲った。


親方さんが立ち上がった!
でも……座っていた時と、高さはさほど変わらないんですけど……


「こっらぁ~我、舐めてんのかぁ!
ワシに何さらすんじゃい~
よっ我、ええ度胸してんのぉ?
触られたぐらいで、バタバタしやがって、
それで、こんな水商売が勤まると思てんのか、えっ!?こっらぁ~~」


こっ、これが!本場物の関西弁や~出たぁ~


   恐いよ~


 ガッシャ~ン~~


その時、テーブル上の全てが、払い除けられた。


眼鏡の外れた親方さんの顔?
眉毛がない!


それは、まるで目のつり上がったドーベルマン!


誰か、誰か助けてよ~


その時、ママが走って来た。


「仲ちゃん、そんな怒らんといてなぁ~
ごめんな~
まだこの子、何にも知らんから許したってなぁ~
ウチと飲み直そうや、なっ♪」


続いて、ダスターを手にしたえりさんも走って来て、散らかったその場を片づけ始めた。


立ち尽くしたままの私に、ママが目配せをする、カウンター内に移動しろと……。