その時、考え込んでいた客が言った。
「何か、うさぎ?
色白やし、白うさぎみたいやなぁ」
ウチはその時思った、生まれた干支は、そらぁウチも久美子もうさぎやけど、うさぎってイメージは、もっと小さくてカワイイのと違うん?
久美子の体からは、想像もつけへんねんけど……
その時、別組の隣の客が、話しに割り込んできた。
「ジャンボうさぎって居てるやろ?
いつかテレビで見たことある、外国でジャンボうさぎ大会ってのがあって、信じられんぐらい大きなうさぎがおるんや、それやな……」
「それや、それや」
ハハハハハ……
皆が笑った。
久美子の話題で、笑いが生まれたのは、この時が初めてやった。
でも、それは久美子の会話から出た物ではなく、身体についての事やったけど……。
ウチは、こそっと久美子の顔を覗いた、 命名、ジャンボうさぎの顔を……。
そこには、スマイルを忘れた、ムッとしたジャンボうさぎがいた。
久美子……ってか、笑えって言うてるやろ? 笑えって…… 。