小柄女が、アザラシを揺すぶった。
「はよ起きって言うてんやぁ~
ウチ、家帰るから、ここ鍵閉めて出て行かなあかんねや!」
と、どすの利いた関西弁に、アザラシはとうとう目覚める事に……
「ここは? どこ?
私は、いったい……」
「あんた酒、弱いなぁ~
そんなんでは、この商売勤まらんで」
大柄女は、昨日の記憶を少しずつ辿っていった。
スナックに面接に来て……
満月と書いてみづき……
山ちゃん……
ビール……そうだ、私、ビール飲み過ぎて……
アルコールを思い出しただけで、またゲロが出てきそうになった。
オエッ、オエッ、オエッ……