おっちゃんの左瞼は腫れ上がり、紫色に変色してた、ウチの拳の後や……
びっくりしたけど、ウチは謝れへん。
おっちゃんは、左右大きさの違った目で、その瞳で、ウチに訴えてきた。
「何でや?またキャバクラになんか戻ったら、苦労するだけやないか?」
「ウチは大丈夫や」
「どうしても辞めるって言うんか?
考え直されへんのか?」
「無理や……
ウチは、こうって決めたら、誰が何を言おうが、何をしてこようが、もう考えは曲げられへん……って事、ウチの性格、おっちゃんが一番知ってるやろ?
今まで世話になった事は感謝してるよ、ありがとう、
今度は、いつか誰の世話にもならんと、ウチは自分の力で店を持ってみせるよ」