久美子が立って、こっちを見ていた!?


「久美子……」


「……お取り込み中……ごめんなさい」

と、久美子は荷物置き場でゴソゴソと……

何かを探してる様子で……見つかったのか、それから慌てて出て行った。


「久美子ぉ~~
ちょ、ちょ、待ってやぁ~」


その時、おっちゃんが、

「放っとけや、もうあんな女~」

と言った。


「あんな女?」



    プチッ


ウチの思考回路は、
その時切断された。


   ボコッ!


一瞬の出来事やった、思い余ったウチの拳がおっちゃんの顔に!
頬に入れるつもりが目に思い切り入ってしまった。


「い、痛、たた……
何、何すんねん…」



「こっらぁ~おっさん!
女をアホにすんのもええ加減にさらさんかい!」


おっちゃんをすり抜け、ウチは店から飛び出た!
けど、久美子の姿は、もう何処にも見えへんかった。



今から、久美子の部屋まで行こう、
この誤解をきちんと説明する為に……


人生って、ほんまに予定通りにはいかんみたい。