「せやから謝ってるやろ~
あいつの事は、一時の気の迷いやったって……
わきが匂うとか匂わんとか、そんな問題とは違うことに気が付いたんや」
「それが問題や、あいつのワキガが嫌や
って、言うたん誰や!?おっちゃん、ええ加減にしいや!!」
「あんな大きなオバハン……やっぱり俺の性には合わんわ」
この男と話せば話すほど情けなくなってきて……
何を言うても無駄な事やと、ウチは思った。
でも……こんなアホに生活を支えて貰ってる自分も、どうしようもなく情けなかった。
妥協……自分の意思は我慢して、相手に合わせること……
キティが生まれ、母親となって……
妥協も少しは覚えたウチやったけど、この問題だけは、たぶん、もう無理や。
と、トイレに行くと思ったおっちゃんが……
カウンター内に入ってきた!?
「みづき~なぁ~もうええ加減に許してくれへんかぁ?」
と、その大きな体でウチを抱きしめようとしてきた!?
「もう止めて!!
ウチは、もう嫌や!
おっちゃんの人間性が大嫌いやぁ~」
その時やった!
ええええええええっ?
何で?
ドアのとこに久美子が立ってる!?