満月がキャバ嬢をしている時の事だった。


あるラブホテルの一室で黒田は言った。


情事後~黒田はベッドの上で、タバコに火を点けた。


天井に向かって白い煙を吐き出し、黒田は思う。


暫く、このおもちゃを手放したくないな……と、俺の手元に縛り付けて置きたいと。


「店でも、するか?」


「えええ~嘘?」


「嘘と違う、マジやマジ、ママになりたないか?」


「嘘やん!夢みたいな話しやん♪」


「夢と違う、現実や」


「せやかて、ウチ……自分の店持つのが、夢やってんもん!」


「それやったら、ワシがその夢叶えたろ」


「うわぁ~もうおっちゃん大好きや!」



満月は小顔にパッチリとした大きな瞳が印象的、黒く太く入れたアイラインが尚一層、目を大きく見せていた。

マスカラをたっぷりつけたまつ毛をばたばたさせて………。


ここに、スナック
ナイトゲームの若ママが産声をあげた。



「いらっしゃいませ~」


その産声は……カワイイ顔にはどうも似合わないハスキーな声だったけど。