●ウチ●
久美子を病院に残し、ウチは表に出た。
朝の日が眩し過ぎる、昨日の夜、店で久美子が倒れてから………
まだ数時間しか経ってないのに、何日も前の出来事みたいに思えた。
ウチには今からする事があった。
直ぐさまケータイを持ち、あのエロ親父に発信~
留守電応答にメッセージを入れた。
「おっちゃん、ウチや……
大事な話しがあるから、折り返し電話をちょうだい。
喫茶店かどこかで、会いたいんやけど……
直ぐに連絡してや」
ピーー――――
こんなメッセージを入れるのは、ウチにとって初めての事やった。
相手の立場も状況も、ウチはきちんと把握していたし、おっちゃんとは愛よりも商売で、打算で繋がっていたから……
この関係が壊れる事は、生活が壊れるのとイコールやったから……
おっちゃんが付き合いやすいような状態を、ウチはずっと、ウチなりに保ってきたつもり。
でも今回だけは……
ウチは、もう我慢出来んかった、
何で、よりによってウチの大事な従業員に……
それも遊び半分で、女を馬鹿にするような付き合い方をして………。