「なぁ久美子~
今、一番悩んでる事って何や?
それを取り除かん事には、拒食症は治らんって、医者が言うてたで」
「……………」
久美子は一点を見つめていた。
そして……
その口からゆっくりと、小さな小さな声を出した。
「……ママ……
黒田和男さんって、実は店のオーナーで、ママの彼氏だった人でしょ?」
「……………」
来たぁ!とうとう白状してくれた、
せやけど何て?
彼氏やった?って、それって過去形やん?
もう、別れてる事になってる訳?
取り敢えず……
話しを聞き出さなくては、とウチは黙って聞く事にした。
「今まで黙っていて、ママ、ごめんなさい………
私……今ね、あの人と付き合ってるんです、
最初は、ママの彼氏だった人だなんて知らなくて、後でわかった事なの……
で、和男さんに尋ねたのね……
そしたら、今は商売上の付き合いだけで、もう男と女の関係は終わってるからって、言われたの」
「……………」