遠くから、ウチは久美子の働く姿を見つめていた。
あの疲れた顔のまま、無理に作ったスマイルで客と会話をしている……
久美子も、ホステスとして成長してきたなぁ~ってつくづく思った。
でもな……
今のウチは、胸の奥底で心の糸が絡んでしまって……
そんな久美子の成長振りも、素直に見れない。
おっちゃんと久美子の関係。
99%言える事は、きっと、おっちゃんから誘ったという事。
99%言える事は、多分おっちゃんとウチとの仲を、久美子は知らんかったと思うし、おっちゃんに上手く胡麻かされていた場合、今でも分かってないのかも?
いったい……ウチはどないしたらええのやろ?
「ママ、ママ……ちょ、俺の話し聞いてないのか? 何一緒に歌ってくれるんやて?」
「あっ、ごめん、ごめん」
デュエットしてくれって言われてたんや、すっかり忘れてた。
♪♪♪~ステージに上がり、いつも通り歌っていた時の事!
「きゃあ~~~」
って、えりの声が!?
「大丈夫か~~~」
って、客の声が!!!