この世界で言う枕営業が始まった、
寝た客は、暫くの間、こっちから営業をかけんでも、おもしろいように店に来てくれるし、服も靴も買ってくれる、それに、こづかいもくれる。


これは秘密の世界やけど、売れっ子になれば誰でもやってる事。



ホストクラブの飲み代で、マイちゃんには、ほんまに頭にきてたけど……
その話しに乗った自分自身も悪いし、
それに、マイちゃんを含むグループに嫌われたら生きにくい世界やったから、
ウチは、それまでと同じように、表面上だけは合わしてた。

そんな時……
またマイちゃんが、ニコッとしながらウチに寄って来た。


来た! この女……きっと何か企んでる、そんな匂いがした。


「ユリアちゃん、今日、暇?
あんな、翔くんから電話がかかってきて、また来てくれって言われてん。
今日は私が奢るから行けへん?」


「……………」