アタシ、浮遊霊の寝床は、空き店舗、以前、自分が経営していた店だった。


ひっそりとした静かな空間は、アタシにとっちゃ快適な場所だったよ。


もう後、何日かでお迎えが来るっていう矢先の事だった。


不動産業者が、アタシの寝床にある男を連れて来た。


年齢で言えば、50歳前後ぐらいかな?


ちょっとノーマルカラーではない男、半分ヤクザかぶれしたような奴……
この店舗を見に来たお客だった。



2年間、借り手のつかなかったこの貸し物件、1階は店舗で、2階は仮眠出来るくらいの小さな部屋がついた2階立ての店舗だった。


アタシの事件以来、嫌な噂が流れてたんだ。


毎夜、毎夜……女のすすり泣く声が聞こえてくるとか、出入りする女の霊を見たとか……


噂であって噂じゃない、だってそれは事実なんだもん♪


でもさ、アタシは極力、存在感を出さないようにしていたのになぁ~
霊感って言うの?


霊感の強い人間にとっちゃ、アタシの存在はバレバレだったのかも知れないね。