直樹はじっと考え、気を落ち着かせる為にか?タバコに火を点けた。


白く細いスモークを1本吐き出した後……



「月……おめでとう」


おめでとう……って、それって……それって?受け入れてくれたって事?


直樹は優しく頷いた。


次にこぼれそうな程、目玉が飛び出したのは、ウチの方やった。


「直樹……ありがとう……
それと、今まで黙っててごめんなさい」


涙がいっぱい溢れてきた、だって、ずっと一人で悩み、調べ、騙し、つわりに苦しみ、ほんまに辛かってん、ウチ……。

ウチもタバコに手が伸びて、火を点けようとした瞬間!!
そのタバコを直樹がすっと取り上げた。

そして……暖かい両手でウチの頬を包み込み、


「タバコは、もう止めや……
お母さんになるんやろ?
子供に影響したらどないするねん」



直樹ありがとう、
直樹愛してるよ。


ウチを離さんといてな……お願いやから。



和田直樹……
ウチはあんたの事を心の底から愛してた、今でも愛してる……
捜しても、今は何処にもいない、あの頃のあんた。