とうとう5ヶ月が過ぎた。
「直樹……話しがあるねん」
「何や? 真剣な顔して……」
「ウチな……妊娠してるねん」
直樹の目から……こぼれ落ちるんじゃないか?と思うくらい目玉が飛び出して!、と鼻の穴も大きく開がった。
次の直樹のセリフ……
聞きたくなかったウチは、透かさずに続けた。
「直樹……黙っててごめんな、悪いと思ってる……
でもな、もうウチ5ヶ月やねん……おろせる時期過ぎてしもうてん」
ウチは恐々、直樹の顔を覗き込み、
全身が神経になったように……答えを待った。
……って言っても、堕胎出来なくなった今、この時に、直樹の選択肢はなかった。