ウチと直樹の付き合いは、ほんまに真剣やった。
たこ婆の反対には背いたまま、ウチらの付き合いは続いていった。
そんな日々の途中で……生理が止まった。
避妊はしたりしなかったりやから、これは当然の結果やったけど……
まだ15歳やったウチにとっては、重過ぎる問題で、途方に暮れてしまった。
ウチが高校、直樹が大学卒業してから結婚しようって予定やったのに……ほんま、人生って予定通りにはいけへん。
直樹には、よう言わんかった。
まだ早いな……イコール、おろせって事やから、返ってくる答えに予想がついたから……。
仲間や連れにも内緒にしていた、どこから直樹の耳に入るか?わからんから。
もちろん、たこ婆に言える筈もなく……。
お腹に手をあて、ウチは考える。
どうしても、この子を殺したくない。
自分の子って、どんな顔してんのやろ?
自分の分身ってどんなんかな?
会いたい……この子に会いたい、自分の体に授かった命に会ってみたい。
それから色々調べたよ……妊娠22週を過ぎると、普通、堕胎出来ないことになってると……。
ウチは強行手段を取ることに決めたんや。