中2であんたを初めて見た時、ウチは一目惚れした……って言うより、初めは憧れの方が強かったと思う。
でも全然、見向きもしてくれへんかったから、一回は諦めた……のに、あのケータイの着信が運命の分かれ道やったんかな?
喫茶「キング」で知り合った女の先輩から、誘いがあった。
この頃、顔を見せへんようになったウチに、出ておいでって……直樹さんが呼んでるからって!?
えぇぇぇっ~何で?
ウチの存在に気付いてくれてたん?
そんな夢みたいな話……
初めて、直樹先輩の車に乗せて貰った、それも助手席に……。
「最近、顔見んようになったなぁ~と思って、元気にしてたか?」
「……ウチのこと、知ってくれていたんですか?」
「前から知ってたよ、カワイイ子やなぁ~と思ってた」
と、運転席の直樹先輩が、ウチを見てニッコリと笑った。
嘘~嘘やん?マジ?
ほんまに、これって夢と違うん?
ウチ、夢みてるんと違うん?