黒田の車に乗り、この焼き肉屋に来てからも……私は、さっきからずっと黙ったまんまだった。

生ビール大ジョッキを3杯飲み、マッコリって言うお酒もガブガブ飲んでいたら、急に酔いがまわってきた。


全く喋らない私に対し、今度は黒田が不機嫌になり、逆ギレした!

「なんや!?
そんな膨れっ面見て、飯食うても何も美味しないわ!
そんな気に入らんかったら、今日、何で来るねん?」

言葉の言い方がキツくて……私の胸はきゅ~と締め付けられる思いがした、
栓が外れたみたいに、それまで我慢していた涙がポロポロ、ポロポロと零れてきて……

もう我慢出来ない。
気が付いたら、私の口は勝手に言葉を出していた。


「私……全部知ってんだから」


「何がや?」


しらばっくれてる、この人……


「和男さんは、店のお客さん何かじゃない、本当は、あの店のオーナーなんでしょ!?
それに……ママの男って事、私に隠して……
ママと出来てるくせに、何で? 何で、私を誘ったりなんかした訳!?
意味わかんないし、そんなのって最低じゃない?」

ついに噴火してしまった私……
前にいる黒田は気後れする事もなく、大きな肉を口に運んでいた。