ママが聞いた、疲れたんか?……って、本当に疲れたよ。


仕事じゃなくて、
恋に人生に、和男さんに疲れた私。


外に出て、ドアを閉めた、
黒い空に、白いまん丸のお月様が見えた。


あっ今夜は満月だ……


それは、闇に浮かぶ優しいライト。


さっきのママの笑顔と何故だか重なった。


話の折りに聞いた……
ママの実年齢は17歳だって……

まだ未成年じゃん……
その歳で、妻子持ちの彼氏? スポンサー?


心に熱と、体にエクスタシーを刻んだ男、黒田和男が、ママの男だったなんて、そんな馬鹿な……


明日の約束……どうしようか?


ママに申し訳ない罪悪感と……
黒田に対する腹立たしさと……
なのに、止められない恋心。