お客の出入りが激しい日は、時間が経つのも早い。
都会の夜は、毎週金曜日が たけなわらしいけど、ここはローカルな下町だから、土曜日が一番忙しかった。
今日の客の入りはまずまずで……でも、今の私にとっ重要な問題は、店の売上なんかじゃなかった。
忙しく動き回っている内に、夜中の3時になり、最後の客が帰って行った。
3人で片付けも終えて……えりさんも帰る支度を始めた。
私もコートを引っかけてバッグを持ち、ママの顔をチラッと見る。
「お先に失礼します」
「何や久美子~今日は元気なかったで~
疲れたんか?
明日は休みやから、ゆっくり体、休めときや~」
と、その小さな体についたカワイイ顔でニコッと笑った。
「はい、ありがとうございます」