●私●


ううっ……体が痛いし寒いし、ここは、いったい何処なの?


何か見たことのある景色……自分ちのキッチンじゃない?


頭が痛いよ~~


時計を見たら、昼の1時を過ぎていた。


私は、昨日の記憶をゆっくりと辿る。


そうだ……


とまた、涙腺が緩み涙がポロポロ、ポロポロ……


ふらふらの足取りで立ち上がり、冷蔵庫を開けて、ミネラルウォーターをごくごく飲んだ。


その時、着信が……


ディスプレイに、
黒田 和男!?


……どうしようか?


トゥルルルルル♪ トゥルルルルル♪


鳴り続けている。


久美子、出るの?出ないの?


心が葛藤してる。


和男さん……あなたの事を好きになってしまったから、この恋に、どんなカラクリがあんのか知らないけど、
ママとあなたの間に何があんのか知らないけど、
この体全てで、あなたを愛してしまったから……今でも愛してるから。


右の親指が受信キーを押した。